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執筆・監修 株式会社MJE 「IT機器のお悩み解決コラム」編集部
当社は創業以来20年にわたり、複合機をはじめとするOA機器の提案を行してきました。全国50,000社以上との取引実績と豊富な知見を活かして、皆さまのオフィスづくりに役立つ情報をお届けします。
>> 企業情報はこちら「UTMが義務化された」という話を耳にして、本当のところが気になっている方も多いのではないでしょうか。
特に中小企業ではIT専任の担当者がいない場合も多く、こうした話をそのまま鵜呑みにしてもいいのか、不安になりやすいものです。かといって、何も対応しないままでは心配も残ります。
結論から言えば、UTMは法律で一律に義務化されているわけではありません。
一方で、企業に求められるセキュリティ対策の水準は年々高まっているのも事実です。その背景が「UTM義務化」という言葉につながって語られていると考えられます。
この記事では、UTMの義務化について「総務省や罰則の話はどこまで事実なのか」を整理したうえで、どのように対応すべきかを解説します。
不安を煽るための記事ではなく、事実と実務を切り分けながらお伝えします。自社に必要な対策を判断する参考にしてください。
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UTMの導入を法律で義務付けるルールは、現時点では存在しません。UTM未導入だからといって、罰則を受けることもありません。
ではなぜ、このような噂が広まったのでしょうか。その背景には、年々深刻化するサイバー攻撃の実態と国が進めるセキュリティ関連の法制度が大きく関係しています。
近年、世界中で「サプライチェーン攻撃」による被害が増えています。サプライチェーン攻撃とは、会社同士のつながりを悪用したサイバー攻撃のことです。

攻撃者は、いきなり大企業を狙うわけではありません。まず狙うのは、取引先や子会社など、セキュリティ対策が手薄になりやすい中小企業です。そこに不正に侵入し、その会社を「踏み台」にして大企業へ攻撃を仕掛けます。
たとえば、大企業A社が中小企業B社と日常的にデータをやり取りしているとします。攻撃者はまず中小企業B社のシステムに侵入し、正規の通信を装ってA社へ攻撃を仕掛けるのです。大企業A社から見れば信頼している取引先からのアクセスに見えるため、被害に気づきにくく、被害が大きくなりやすいという特徴があります。
「うちは小さい会社だから狙われない」と思われがちですが、実際にはその逆で、中小企業こそ「攻撃しやすい入口」として最初の標的にされやすい立場にあります。

こうしたサイバー攻撃の増加に対応するため、国は複数のセキュリティ関連の法律や制度を次々と整備しています。
2022年4月、「改正個人情報保護法」が施行されました。この法律により、情報漏洩が発生した際に個人情報保護委員会への報告や本人通知が義務化されています。
違反した場合のペナルティは非常に重く、最大1億円の罰金が科せられる可能性があります。さらに、悪質と判断されれば社名が公表されることもあります。企業の信用にも大きく関わるため、軽く考えられない問題です。

対策が不十分なまま事故が起きると、社会的信用を失うだけでなく、高額な賠償や措置命令の対象になる可能性もあります。
参考:個人情報保護委員会「令和2年改正個人情報保護法 特集」
経済産業省は、企業のセキュリティ対策を「星の数(★3~5)」で評価する新しい制度を2026年度末頃に運用開始する予定です。制度の運営は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が担う予定です。正式名称は「サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度」といいます。
この制度は、取引で関わる企業それぞれのセキュリティ対策を、国が決めた共通の基準で評価するものです。星の数が多いほど、しっかりした対策ができていることを示します。
| SECURITY ACTION 宣言制度 |
サプライチェーン強化に向けた セキュリティ対策評価制度 |
||||
|---|---|---|---|---|---|
| 評価 | ★1 | ★2 | ★3 | ★4 | ★5(検討中) |
| 概要 | 情報セキュリティ5か条への取り組み宣言 | 自社診断+基本方針の策定・公開 | 最低限実装すべき対策 | 標準的に目指すべき対策 | 到達点として目指すべき対策 |
| 項目数 | – | – | 25項目 | 44項目 | 今後検討予定 |
| 評価スキーム | 自己宣言 | 自己宣言 | 専門家確認付き自己評価 | 第三者評価 | 第三者評価 |
★1~2は既存の「SECURITY ACTION」宣言制度を流用する想定です。新制度では★3~5の3段階の内容が検討されています。
制度自体は任意ですが、業界や取引先によっては、一定水準以上の評価取得を求められる可能性があります。
制度の中で求められる内容は幅広く、さまざまな対策が必要になります。


特に注目したいのは、「内外ネットワーク境界の分離・保護」や「ネットワーク接続・データ監視」が明確に盛り込まれている点です。これらは「ウイルスソフト」だけではカバーできず、UTMやファイアウォールなどを含めた多層的な対策が必要です。
※2026年3月に公表された段階の内容です。
2025年5月に成立した「サイバー対処能力強化法」が、2026年中に施行される予定です。正式名称は「重要電子計算機に対する不正な行為による被害の防止に関する法律」といいます。
この法律は、国民生活や社会インフラに大きな影響を与える重要なシステムを管理する事業者に対して、一定のサイバーセキュリティ対策を求めるものです。
対象となるのは、電力・ガス・交通・金融・医療・通信・水道など、社会インフラを支える基幹インフラ事業者です。
ただし、影響は基幹インフラ事業者だけにとどまらない可能性があります。
たとえば、電力会社のシステムを開発・運用するIT企業、重要システムへアクセスする保守業者など、関連企業にもセキュリティ水準の確認や情報提供を求められるケースが考えられます。

重要インフラと接点がある企業は、何かしらの対応を求められる可能性があると考えておいてもいいでしょう。
参考:内閣官房国家サイバー統括室「サイバー対処能力強化法※1及び同整備法※2について」

ここまでの流れを整理すると、結論はシンプルです。

これらの制度は個別に見るのではなく、まとめて捉える必要があります。今後は「自社だけ守ればよい」ではなく、取引先や協力会社を含めたセキュリティ体制が問われる場面が増えていくでしょう。
法律や制度に対応していくうえで、何らかのセキュリティ対策は必要になります。
その中でUTMが多くの企業に検討されるのは、現在のセキュリティ環境に対して、現実的なリスク軽減策になりやすいからです。
UTM(統合脅威管理)とは、ファイアウォール、アンチウイルス、侵入検知・防御(IDS/IPS)など、複数のセキュリティ機能を統合した機器です。ネットワークの入口で不正な通信を検知・遮断し、企業のネットワークを包括的に守る役割があります。
一つの製品で複数の対策をまとめて実施できるため、専任のセキュリティ担当者が少ない中小企業にとって、UTMはコストと運用負荷のバランスを取りやすい対策です。

UTMは義務ではありませんが、ネットワークの入口対策として有効な手段の一つです。導入するかどうかは、業種・働き方・守るべき情報資産に合わせて検討しましょう。
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UTMについて調べていると、「義務化された」「総務省が決めた」「入れないと罰則がある」といった情報を目にし、不安になる方もいるでしょう。しかし、ここまで解説してきたとおり、UTMが法律で一律に義務化された事実はありません。
一方で、サイバー攻撃被害の拡大や個人情報保護法の改正、そして2026年10月運用開始予定のサプライチェーンセキュリティ評価制度などにより、企業に求められるセキュリティ対策の水準が引き上げられているのは確かです。
重要なのは「UTMを入れるかどうか」を先に決めることではなく、自社に求められるセキュリティ水準と現状の対策とのギャップを把握することです。
まずは次の3点を整理してみましょう。

「義務化」という言葉に振り回されるのではなく、自社の業務内容や取引関係、社内体制を踏まえて、今の時点で必要な対策を冷静に判断することが大切です。


このように感じているのであれば、専門家に一度相談して整理するだけでも、判断しやすくなります。「事業を止めないために、何を備えておくか」という視点で、自社に合ったセキュリティ対策を考えていきましょう。
弊社は、これまで約5万社のオフィス・店舗のインフラ改善に携わってきました。
お客様のネットワーク構成やご予算を踏まえ、無理のないセキュリティ対策をご提案いたします。
製品ありきではなく、「どこまで守るべきか」「どのように運用するか」といった検討の初期段階からご相談いただけます。
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