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執筆・監修 株式会社MJE 「IT機器のお悩み解決コラム」編集部
当社は創業以来20年にわたり、複合機をはじめとするOA機器の提案を行してきました。全国50,000社以上との取引実績と豊富な知見を活かして、皆さまのオフィスづくりに役立つ情報をお届けします。
>> 企業情報はこちら「御社のセキュリティ対策はどうなっていますか?」と取引先に聞かれて、ドキッとした経験はありませんか?
販売会社からUTMを勧められたものの、「そもそもファイアウォールと何が違うのか」がわからず、判断に迷っている方もいるかもしれません。
この記事では、UTMとファイアウォールの違いを、専門用語をできるだけ使わずに解説します。それぞれの「できること」と「できないこと」を整理し、メリットだけでなくデメリットにも触れながら、自社にはどちらが必要なのかを考える手がかりをお伝えします。
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目次

最初に、UTMとファイアウォールそれぞれの意味を押さえておきましょう。「UTM=ファイアウォールの上位版」と思われがちですが、厳密にはそうではありません。両者の立ち位置を正しく理解することが、製品選びの第一歩になります。
UTMは「Unified Threat Management(統合脅威管理)」の略で、複数のセキュリティ機能を1台の機器にまとめた製品です。具体的には、ファイアウォール・ウイルス対策・不正侵入防止(IPS)・迷惑メールのブロック・危険なWebサイトの遮断といった機能が、ひとつの箱に入っています。
たとえるなら、「防犯カメラ・鍵・インターホン・センサーライトが一体化したホームセキュリティシステム」のようなものです。個別にそろえる手間がなく、1台導入するだけで多方面の脅威に対応できます。
UTMには、オフィスに機器を設置する「アプライアンス型」と、クラウド上でセキュリティ機能を提供する「クラウド型」の2種類があります。中小企業では、初期設定がシンプルなアプライアンス型が主流です。

「UTMって結局、何をしてくれる機械なの?」という質問をよく受けます。ひと言でいえば、「ネットの出入口に置いて、危険な通信をまとめてブロックしてくれる機器」です。ウイルス・不正アクセス・迷惑メールなど、複数の脅威を1台で防ぎます。

ファイアウォールは、社内ネットワークと外部のインターネットとの境界に設置される「門番」のような存在です。外部からの不正な通信を遮断し、許可されたデータだけを通す役割を担います。

ファイアウォールには大きく2つの方式があります。ひとつは「パケットフィルタリング型」で、通信データの宛名(送信元・宛先のIPアドレスやポート番号)だけを見て通過可否を判断します。郵便物でいえば「封筒の表書きだけ確認する」イメージです。
もうひとつは「アプリケーションゲートウェイ型」で、通信の中身まで検査できます。こちらは「封筒を開けて中の手紙も読む」イメージです。より精密なチェックが可能ですが、その分、通信速度に影響が出やすい特徴があります。
いずれの方式も、ファイアウォールの基本的な役割は「不正なアクセスの遮断」であり、ウイルスの検知や迷惑メールのブロックといった機能は備えていません。

UTMとファイアウォールの基本的な意味を踏まえたうえで、「結局どこが違うのか」を4つの視点で比較します。
ファイアウォールは、外部からの不正な接続を防ぐことに特化したセキュリティ機器です。
一方、UTMはファイアウォールの機能に加えて、悪意のあるソフトへの対策、不正な侵入の検知・防止、危険なWebサイトへのアクセス制限など、複数のセキュリティ機能を1台にまとめた機器です。
わかりやすくいえば、ファイアウォールが「正門の警備員」だとすると、UTMは「正門の警備員に加えて、防犯カメラ、金属探知機、手荷物検査までまとめて行う警備チーム」のようなものです。
ファイアウォールとUTMでは、防げる脅威の範囲が異なります。主な違いを一覧表で整理します。
| 脅威の種類 | ファイアウォール | UTM |
|---|---|---|
| 不正アクセス | △ | ○ |
| ウイルス・マルウェア | ✕ | ○ |
| ランサムウェア | ✕ | ○ |
| 迷惑メール(スパム) | ✕ | ○ |
| フィッシングメール | ✕ | ○ |
| 有害サイトへのアクセス | ✕ | ○ |
| DoS攻撃 | △ | ○ |

ファイアウォールだけでは、ウイルスや迷惑メールなどに対応しにくい場合があります。 一見問題のない通信に紛れて入ってくることがあるため、UTMのように複数の機能で確認する仕組みが必要になります。
ファイアウォールとUTMの違いを、郵便物にたとえて見てみましょう。
パケットフィルタリング型のファイアウォールは、「封筒の宛名だけを確認する」ような方式です。差出人や宛先が怪しい場合は止めますが、封筒の中身までは確認しません。
アプリケーションゲートウェイ型は、「封筒を開けて中身も確認する」方式です。より細かく確認できますが、その分、処理に時間がかかる場合があります。
UTMは、これらに加えて「危険物の検査」「金属探知機による確認」「危険な送り主のリストとの照合」まで行うイメージです。
つまりUTMは、通信の中身を確認するだけでなく、悪意のあるソフトの検知、不正な侵入の防止、危険なWebサイトへのアクセス制限など、複数の機能を1台にまとめている点が大きな特徴です。
UTMは1台で複数のセキュリティ機能をまかなえるため、管理がシンプルです。設定画面もひとつにまとまり、IT専任者がいない企業でも運用しやすいメリットがあります。一方で、「機能ごとに最適なメーカーの製品を選ぶ」ということはできません。
ファイアウォール単体の導入コストは比較的安価です。しかし、ウイルス対策ソフト・IPS・Webフィルタリングなどを別途そろえると、合計の費用はUTMと同等かそれ以上になるケースも珍しくありません。管理の手間も製品の数だけ増えます。
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比較表で概要はつかめたかと思います。ここでは実務上の判断材料として、もう少し踏み込んだメリット・デメリットを整理します。
UTMの最大のメリットは、1台で多層防御が完結する手軽さです。ファイアウォール・ウイルス対策・IPS・Webフィルタリングなどを個別に導入する場合、それぞれの製品を選定・購入し、設定・更新・トラブル対応を行う必要があります。UTMならこれらをまとめて1台で管理できるため、運用コストと手間が大幅に削減されます。
また、管理画面が一元化されている点も見逃せません。セキュリティの状況をひとつの画面で確認できるため、IT専任者がいない中小企業でも「何が起きているか」を把握しやすくなります。
UTMにはデメリットもあります。
まず、UTMが故障すると搭載されている全セキュリティ機能が一斉に停止します。ファイアウォール・ウイルス対策・Webフィルタリングのすべてが同時に使えなくなるため、予備機の準備や冗長構成の検討が必要です。
次に、複数の機能を1台で処理するため、通信量が多い環境ではネットワーク速度が低下する場合があります。導入前に自社の通信量に見合ったスペックの製品を選ぶことが重要です。
さらに、UTMはひとつのメーカーが全機能を提供するため、「ウイルス対策はA社、Webフィルタリングはb社」のように機能ごとに最適な製品を組み合わせることはできません。

「デメリットがあるなら、UTMを入れるべきか迷う」と感じるかもしれません。 ただ、複数のセキュリティ製品を別々にそろえて管理する負担を考えると、中小企業ではUTMの方が運用しやすい場合があります。デメリットを知ったうえで、必要な備えを考えておきましょう!
ファイアウォールのメリットは、不正アクセス遮断の信頼性の高さです。長い歴史を持つ技術であり、外部からの不正な通信をブロックする基本機能については十分な実績があります。
また、通信のログを詳細に記録できるため、「いつ・どこから・どんな通信があったか」を後から確認しやすい点もメリットです。不審なアクセスの調査や、セキュリティ上の問題が発生した際の原因確認にも役立ちます。
単体での導入コストが低い点も、すでに他のセキュリティ製品を個別に導入済みの企業にとっては魅力です。
最大のデメリットは、ファイアウォール単体では、ウイルスやマルウェアなど「正規の通信に紛れ込む脅威」への対策に限界があることです。
ファイアウォールは基本的に通信を「通すか、止めるか」を制御する仕組みであり、種類によっては通信内容まで検査できるものの、すべての脅威を防げるわけではありません。
現在のサイバー攻撃は、メールの添付ファイルやWebサイト経由など、正規の通信経路を悪用するものが主流です。ファイアウォールだけで自社を守りきるのは難しく、ウイルス対策ソフトやIPS、Webフィルタリングなどの追加導入が必要になります。

UTMとファイアウォールを調べていると、「次世代ファイアウォール(NGFW)」や「WAF」という用語も目にするはずです。混同しやすいので、ここで違いを整理しておきましょう。

次世代ファイアウォール(NGFW:Next-Generation Firewall)は、従来のファイアウォールにIPS(不正侵入防止)やアプリケーション制御といった高度な検知機能を追加した製品です。
UTMと機能面で重なる部分も多く、近年は両者の境界が曖昧になっています。一般的には、次世代ファイアウォールは大企業向けの高性能モデル、UTMは中小企業向けのオールインワンモデルと位置づけられることが多いです。

WAF(Web Application Firewall)は、WebサイトやWebアプリケーションへの攻撃に特化した防御製品です。SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング(XSS)といった、Webサイトの脆弱性を突く攻撃を防ぎます。
UTMやファイアウォールが「社内ネットワーク全体の出入口」を守るのに対し、WAFは「自社が公開しているWebサイト」を守る製品です。守る対象が異なるため、自社サイトを外部に公開している企業は、UTMとWAFの併用を検討する価値があります。
| 脅威の種類 | ファイアウォール | UTM | 次世代ファイアウォール | WAF |
|---|---|---|---|---|
| 不正アクセス | △ | ○ | ○ | ✕ |
| ウイルス・マルウェア | ✕ | ○ | ○ | ✕ |
| ランサムウェア | ✕ | ○ | ○ | ✕ |
| 迷惑メール(スパム) | ✕ | ○ | ○ | ✕ |
| フィッシングメール | ✕ | ○ | ○ | ✕ |
| 有害サイトへのアクセス | ✕ | ○ | ○ | ✕ |
| DoS攻撃 | △ | ○ | △ | ○ |

「種類が多くて余計にわからなくなった…」と感じたかもしれません。中小企業の場合は、まず複数の防御機能をまとめて導入しやすい「UTM」から検討してみることをおすすめします。より細かな通信管理が必要なら次世代ファイアウォール、Webサイトやアプリへの攻撃対策が必要ならWAFも検討しましょう!

「UTMはもう古い」「UTMは不要」という意見を見かけることがあります。結論から言えば、すべての企業に当てはまる話ではありません。ここでは、UTM不要論の背景と、それでもUTMが有効なケースを整理します。
UTM不要論の主な背景は、テレワークやクラウドサービスの普及です。従来のセキュリティ対策は「社内ネットワークの境界を守る」という考え方(境界型防御)が主流でした。UTMはまさにこの境界に設置する製品です。
しかし、テレワークの広がりにより社員が自宅から直接クラウドサービスにアクセスするケースが増え、「守るべき境界」そのものが曖昧になってきました。こうした変化を受けて、「社内ネットワークの境界を守るUTMは時代遅れでは?」という議論が出てきたのです。

UTM不要論はあくまで「完全テレワーク・フルクラウド」の企業を想定した話です。実際には、多くの中小企業は以下のような環境にあり、UTMは依然として有効です。
つまり、「オフィスにネットワークがあり、そこを通るデータを守る必要がある企業」にとっては、UTMは合理的な選択肢であり続けます。
以下のフローチャートで、自社に適した製品の方向性を確認してみてください。


「うちは社員30人くらいで、テレワークもしていない普通の会社なんだけど…」という企業こそ、UTMが最も効果を発揮する環境です。専任者なしでも多層防御を実現できるのは、UTMならではの強みです!

ここまで読んで「自社にはUTMが向いていそうだ」と感じた方は、次のステップとして費用感や製品選びの情報を押さえておきましょう。
UTMの導入費用は、製品や導入方法によって変わります。購入する場合とリースで利用する場合でも、月々の負担は異なります。
リース契約の場合、中小企業では月額8,000円〜40,000円程度がひとつの目安です。ただし、必要な機能や利用人数、サポート内容によって費用は変わるため、複数の製品を比較して検討しましょう。
メーカーによって、得意な機能やサポート体制にも違いがあります。価格だけで選ぶのではなく、自社の通信環境や管理できる体制に合っているかを確認することが大切です。
ビズオールでは、企業規模や利用環境に合わせたUTM選びを無料でご相談いただけます。
「自社にはどのUTMが合うのかわからない」「まずは費用感だけ知りたい」という段階でも問題ありません。情報収集の段階から、お気軽にご相談ください。
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ファイアウォールは「不正アクセスの遮断」に特化した製品、UTMはファイアウォールを含む複数のセキュリティ機能を1台にまとめた製品です。防御範囲の広さが最大の違いになります。
UTMにはファイアウォール機能が含まれているため、別途用意する必要はありません。ただし、UTMが故障すると全防御が止まるため、予備機や冗長構成の検討をおすすめします。
セキュリティ専任者がおらず、限られた予算で多層防御を実現したい中小企業にはUTMが合理的です。すでに各セキュリティ製品を個別導入済みの場合は、ファイアウォール単体の更新で足りるケースもあります。
ネットワーク経由のマルウェアやランサムウェアは検知・遮断できます。ただし、USBメモリ経由や暗号化通信内の脅威はUTMだけでは防ぎきれないため、端末側のセキュリティソフトとの併用が望ましいです。
UTMはネットワーク全体の出入口を守る製品、WAFはWebサイトへの攻撃に特化した製品です。守る対象が異なるため、自社サイトを公開している企業は両方の導入を検討する価値があります。
ファイアウォールは「不正アクセスの遮断」に特化しているのに対し、UTMはウイルス対策や迷惑メール防止など複数のセキュリティ機能を1台に統合しています。UTMは手軽に導入できる一方でデメリットもあるため、自社の規模、体制、働き方に合わせて選ぶことが大切です。
「UTMは古い」という意見もありますが、オフィスを中心とする中小企業にとっては、依然として有効な選択肢と言えるでしょう。
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